最強のじじい

小さい時には、親父にも殴られたことなかったのに、じじいには思いっきり頬っぺたはたかれたりしてた。

何か気に食わないことがあれば怒鳴り散らかすし、自分の考えが絶対正しいと思って曲げない人だった。

仕事一筋の職人気質な人で、暇があれば仕事してるし、休みっていう日がないぐらいずっと仕事してる人だった。

人と話すのが好きなのか、仕事相手を捕まえたり、いろんな人に絡んではずっと話してるし、僕にも絡んできては一時間は話に付き合わされたりしてた。

その絡んでくる感じだったり、ちょっと認知症まじりだからか言ってることがおかしかったりするのもあって、話もほとんど聞き流すことが多かった。

でも、そんなじいちゃんの話でもおもしろい?最強な話も中にはあった。

 

1.じいちゃんは工場勤めだからケガが絶えない人だった。手の指なんて、全部の指を爪から先切り落としたことがあるって言ってた。

でも見る限りじいちゃんの指は全部ある。

全部あるじゃんって言ったら、医者に行かなけりゃ指は戻るんだわって言ってた。本当に意味がわからなかったw

じいちゃんが言うには、ちぎれた指を縫っちゃうと再生しないから、きちんと消毒してガーゼで保護して、ガーゼの網目に肉芽が盛ってきたら引きはがすってことを繰り返したらしい。

聞いてる限り頭おかしいとしか思えない話だけど、実際に指あるし、親父も再生したって言ってたから本当なんだと思う。

いや、意味わからんw普通の精神力じゃ無理だけどなって親父は言ってたw

そんな感じで自己治癒力が半端じゃないじいちゃんだった。

 

2.若いときに、限界まで胃の痛みを耐え続けて病院に行ったら

胃がんでこのままなら余命半年宣言をされたらしい。

幸い手術できて、その時ばかりは医者の言いつけを律儀に守って食事もとってたんだって。

余命半年が40年以上たってもピンピンしてたわ。

つくづく最強だなと思うw

 

3.機械の下敷きになりそうになったとき

1tもある機械の下敷きになりそうだったのに、運よく隙間に入り込んで、つぶされることはなかった。

でもぶつかった衝撃で一瞬意識とんでたし、鎖骨が粉砕骨折したらしい。

手術しなきゃ鎖骨は治りませんって医者に言われたのに、医者嫌いが過ぎるから手術なんかしない!って帰ってきてしまった。頑固。

それで町医者にいってバストバンドで固められて、このまま保存的にみるしかないけど、くっつかないよって言われてた。

でもじいちゃんのアホみたいな精神力で、1か月間かゆかろうがなんだろうがバストバンド外さずに耐え続けたんだって。

そしたら治らないって言われて散ってた骨がだんだん寄ってきて、最終的にはくっついてたw

自分で治るって思いこむことも大事なのかなw

ほんとに最強だなって思ったw

 

そんな最強のじいちゃんだけど、暑さにはやられて今年は入院してた。冷房毛嫌いし続けて熱中症になるまで耐えるってどんだけよって思ったけどね。

でもそこから弱ってきたのか、ごはん食べる量が減っていったみたい。

スーパーに買い物に連れてけば、歩いて買い物もしていたぐらいなのに

その2日後、ばあちゃんが声かけると布団で冷たくなっちゃってた。

元気なときから、ばあちゃんに

「俺は寝たきりみたいになるなんてまっぴらごめんだ。調子悪くなったら2日で逝くからな。」

って言ってたみたい。本当に有言実行して逝っちゃったよ。

あんな、何しても死なないような最強のじいちゃんだったけど、老いには勝てなかったみたい。

ずっと元気だったから、僕も全然こころの準備もできてないし、

最初聞いたとき全然受け入れられなかった。

あんなピンピンして、顔合わせたら叫んでくるようなじいちゃんが死んじゃうなんて信じられなかった。

訃報を聞いて、棺に入ったじいちゃんを見て、涙がとまらなかった。

もっとちゃんと話聞いとけばよかったとか、会いにいってればよかったとか

本当に後悔した。今でも思い出したら涙が出る。

でもね、ちゃんと葬儀に出て、お別れも言えて、じいちゃんの好きだったビスケットいっぱい棺に入れてってしたら徐々に受け入れられた。

残された人の気持ちの整理のためにも、お葬式っていうのは大事なことなんだなってすごく思った。

天国に行ってくれたと信じてるし、そっちで会った時にはじいちゃんが昔好きだったタバコでも一緒に吸おうかな。

 

 

R.I.P

 

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